KTMの2800系の製作記です。写真はほとんどありませんがあればUPします。
- 1 KTMの製品は以前8300系と6330系を作りましたが、この2800系は少し行程に違いが
- あるようです。大きな相違点はドアの足摺がアングルと一体になったことです。そのために
- いつもでしたら行程としてまず、ドアー付け、妻面付け、アングル付けとしています。しかし、説明書
- によると、アングル付け、ドア付け、妻面付けの順番でと書かれていますので、最初の3両は説明書
- 通りに組み立てました。そのおかげで、ドアー付けの時点で半田付けの位置決めに使用していた
- アルミクリップが使用できなくなり、苦労しました。そこでL型チャンネルで足摺の幅に切った治具を作り
- ドアーの位置決めをしてドアー付けから行いました。こうすることにより、アングル付けの時点でも
- 位置出しが容易になりしかも確実に付けられました。
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2 後先になりますが、この製品を作ってみた印象から書きます。
KTMの阪急は前面がロストであるために一長一短がありました。まず、作業しにくい点です。
1、サイドのステップのハンダ付けがしにくい。素材に厚みがあるために100Wクラスの
鏝で無いとうまく半田が回りません。又、組み立て前で無いと裏からの作業は困難になり
その後の作業等でステップを潰してしまった時のリカバリーに苦労します。
2、ロストの厚みによって屋根上のステップも付けるのが困難。
3、標識板掛け?が一体表現である。
4、正面窓とサイド窓の高さが不揃いである。(サイドの方が高い。)
等々
良い点です。
1、正面の鼻頭ら?(幌枠の横の折り目)がシャープに出ている。
2、ヘッドライト後の屋根上の表現が良い。
3、6330系とは違い正面おでこの肩のラインは正確である。
等々
要は作業性よりルックス重視であると思います。只、ステップ追加等の作業をしなければ慣れ
かもしれません。(正面、妻面のステップはマッハ模型のエッチング素材を利用しています。
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キットの素組以外の追加加工は下記の通りです。
1、中間連結面のステップ取り付け
2、屋根上手摺の追加
3、標識板掛の加工(糸鋸で取り付け部、0、5mm程残し切削)
4、パンタ配管の立体化(0,3と0,5mmの真鍮線使用)
5、モーターをLN−14に小型化
6、重りを鉛板に変更
7、etc
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塗装工程
マッハ模型のブラスクリーンで洗浄
↓
食器洗剤で洗浄、半日乾燥
↓
アサヒペンのメタルプライマーを垂れる寸前まで塗布(これが下地になるので、薄いとゆず肌になりやすい)
↓
今回2800系はマッハ模型の阪急マルーン59Bと59の2:1の調合で塗ってみました。この本塗装も何回
かに乾燥、塗装を繰り返すのではなく、何度もすぐに上塗りをしていきます。これにより、粒子が全体的に
固まり、より滑らかに仕上がります。シンナーでの薄め具合ですが、塗料とシンナーとリターダーシンナーの
割合が1:2:0,5です。また、吹き付け方は吹き溜まりや垂れが出る寸前ぐらいまでゆっくり動かして厚塗り
しています。このままで乾燥させると塗料が下のほうに集まってきますので、側面を水平に維持してしばらく
乾燥させています。
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車体仕上げ。
1) ドアーサッシ等の削りだしですが、私はエコーモデルの平キサゲ(小)を
利用しています。新品のうちは素材まで削ってしまうので、使い古した物で削って
います。また、ドアーサッシは銀色で色指したほうがいいのでしょが、均一に仕上げる
のが困難な為に削りだしのみにしています。
2) 妻面、先頭窓の色指はカラスグチで行います。この時は息を止めて作業!?しています。
3) 屋根、妻面部にマルーンの色指。これは屋根部塗装の際、マスキングの簡略化の
為に妻面しかマスキングしておりません。カラスグチでかなり幅広にして、原液の1/2
程度の塗料を塗っております。これは慣れればかなり綺麗に仕上がります。
4) サッシ、窓取り付け。KTMの設定でサッシに窓を貼ると、上部のサッシが見えてる部分が
広すぎる様です。そこで、窓を少し切断して、僅かに見えるようにサッシに窓を貼りました。
また、車体側面灯を追加したので、その部分をポンチで切り取りました。
今回、失敗したのですが、乗務員室ドア付近の室内側の半田を塗装前に削り取らなかったの
で、この段階でモーターツールで削り取りました。このため、車内にハンダかすが飛び散りま
した。(^^ゞ
5) レタリング。これは付属の物を利用しましたが、社紋は6330系用の銀色が入っていましたの
で、モデル8さんのレタリングを利用しました。ちなみにナンバーは2801Fとしました。
6) 先頭車のライト周り。これはKTMさんもオカさんも甲乙付け難いです。クリアーボンドと瞬間接
着剤を併用しています。
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床下工作
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1) 今回は基本的に素組にしました。追加加工は雨樋管と妻面昇降ステップ、列車種別装置、
カプラー胴受け、乗務員昇降はしご!?の加工等です。
2) 雨樋管は0.5mm線にて床板に差し込みました。本来は0.6〜7mm線を使いたかった
のですが0.5mm線が大量在庫していて、コスト削減の為に利用しました。
3) 妻面(連結面)昇降ステップは、0.2x0.6で作製
4) 列車種別装置は既製品を形状変更して使用
5) カプラー胴受けはMcの物はエコーモデルのものを加工。Tcの物は0.2x0.7mmを曲げて
使用。編成中間の制御車はキットの物を可動化して使用。
6) 乗務員はしごはKTM&エンドウの幅狭を加工。本車の形状はくの字に曲がっているので
焼きなまし後、慎重に曲げ、下部を水平に切削。
7) モーターは在庫の22を使用予定。LN14は高い・・・。モーター車の床下機器はかなり外側
にはみ出るので、ねじ穴変更、おもり切削等で出来るだけ内側に入れる予定。
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最終仕上げ
1) 先頭車前面の幌枠は付属の物が少し幅が広めなのでモーターツールで削りました。
中間に入る制御車はオカ製の幌付きです。
2) 電装は先頭車(中間Mc、Tc除く)のヘッドライトと種別灯のみです。室内灯は、予算が
下りてから!?です。流行の白色LED仕様が希望ですが、どうなることやら・・・。
3) 内装はキット付属の椅子を使用。但し、ロングシート部はキットのままでは、低いので車体側に窓の高さに貼り付け。
内装材は光沢紙印刷にて作製(耐久性が不明)
4) パンタはフクシマ製のPT42
8 感想等
今回のKTM2800系を作製してみての感想です。
出来上がって気が付いたのですが、KTMの今までの物と違い、窓枠の太さがいい感じ(太め)で形状もただの板状から斜め切?されています。これはオカ製ともいい勝負していると思います。スッキリ仕上がるのはさすがにKTMです。
今までのKTMキットの中では一番手間取った事も事実です。なので、冷改8連はしばらく先になりそうです。
最後に、やはり、先頭車前面窓の位置(高さが低い)ので、印象が5200系と6000系を合わせた様な不思議な車両になりました。今度は窓位置を加工してでも上げていきたいと思います。
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